令和元年度 全邦連主催 第10回 和楽器による作曲コンテスト　審査結果発表

●一般の部

第一席受賞曲

作曲者・・神田晋一郎
曲名・・尉鶲（じょうびたき）曲を聴く
楽器編成・・十三絃×３、十七絃
演奏者・・松原亜弥寧、小澤千絵子
作品概要・・春が近づくと庭に尉鶲が来ます。 季節が移り行く喜びを音に表現しました。

入賞曲・・・・・（全５曲）

作曲者・・入江邦子
曲名・・緑雨の舞曲を聴く
楽器編成・・箏×２、十七絃、尺八
演奏者・・箏Ⅰ 入江歌邦、琴Ⅱ 菊良ゆう子、十七絃 谷崎陽子、尺八 吉田峯山
作品概要・・雨上がりの美しい新緑の大木を眺めていると木の葉からは雨の雫が落ちていました。すると再び雨が降り出したちまち新緑の美しい舞台で雨たちの舞踏会が始まったかの様でした。雨がようやくおさまり木の葉から又静かに雫が落ちていました。 その様子を曲にしてみました。

作曲者・・今野玲央
曲名・・空へ曲を聴く
楽器編成・・十三絃
演奏者・・今野玲央
作品概要・・空の自由さに憧れて書いた曲です。 どこまでも広がる空。その無限の可能性を自身の気持ちと重ねました。

作曲者・・高田智生、浮田向日葵
曲名・・うつり菊曲を聴く
楽器編成・・十三絃×1、十七絃×2
演奏者・・十三絃 成田真也、十七絃Ⅰ 秦谷雄希、十七絃Ⅱ 浮田向日葵
作品概要・・移ろいゆく季節の愁いを感じたった一輪の黄色い菊を見つめる。力強く咲く花に心動かされた様子を表現した曲。

作曲者・・堀川光男
曲名・・おもいで曲を聴く
楽器編成・・尺八、箏
演奏者・・尺八 堀川光男、箏 木下ひな
作品概要・・たくさんの思い出が出来ました。ひとつひとつ思い出しながら音にしました。

作曲者・・小二田茂幸
作詞者・・小二田茂幸
曲名・・邦曲を聴く
楽器編成・・唄、十三絃×2、尺八
演奏者・・唄 川松絵理、内藤眞代、十三絃Ⅰ及びⅡ 内藤眞代、尺八 榎本秀一
作品概要・・箏、邦楽と出会いまだ数年。楽器そのものの音の美しさを活かすべく試行錯誤を繰り返す中“邦”という字と“国”という文字の持つ意味合いの違いなども考えるようになりました。エンターテイメントとしての音楽、西洋に傾きすぎた邦楽、文化に外からの憧れと期待を込めました。

和楽器による作曲コンテスト終了報告と御礼

このコンテストは「多くの愛好家が演奏して楽しめる作品を募集します」というキャッチフレーズで全邦連が初めて行った事業でした。不安と期待の中で始まったコンテストですが10年もの長きに渡り多くの作品を応募していただきました。第一席を獲得され楽譜として公刊された作品もありました。また中には第一席を獲るまで頑張ると毎年チャレンジして下さった方もいらっしゃいました。小中学生の部でも第一席が出て審査員を唸らせました。10年は長いようであっという間に終わりましたが邦楽を愛して下さる方、ましてや作詞作曲まで手をかけてくださる方がこんなにおられて和楽器を扱う者としてこの事業に関われた事を大変幸に思います。本当にありがとうございました。また全邦連として今後も新しいイベントや事業を考えて邦楽愛好家の皆様になにかお役に立てることを発信していこうと思っております。

 

作曲コンテスト事務局
関屋琴三絃店　石村勝治